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AI

2025.06.05 (最終更新日:2025.06.05)

「人の役に立ち続けるAI開発を」―。地元の同級生で製造業DXに革新をもたらす株式会社LAplust

平野蒼

製造業の人手不足や生産性向上に悩む企業にとって、DX(デジタルトランスフォーメーション)は避けて通れない課題です。そんな中、独自のAI技術を活用し、製造業DX に革新をもたらす株式会社LAplust(ラプラス)が注目を集めています。

同社は、高専時代に出会った同級生たちが立ち上げ、地元・長崎を拠点に事業を展開するスタートアップ企業です。今回は、COO(最高執行責任者)である原崎芳加さんに、事業の強みや製造業DXの具体的な事例、そしてスタートアップ企業としての挑戦について伺いました。

製造業DXの目的は「人の行動を変えること」

ーー貴社の事業内容について教えてください。

当社ははじめ、メンバーの実家が農家であったことから、農業×ITを軸に事業を展開していました。しかし、市場規模やDXとの相性に難しさを感じ、現在は製造業DXに注力しています。具体的には、独自開発した「LA-Eye(エルエーアイ)」という技術を企業様の課題に対して柔軟にカスタマイズさせて、課題改善のための基幹システムの提供を行っています。

製造業の現場では、「生産性を向上したい」「業務改善を行いたい」「無駄を省きたい」といった悩みを抱える企業が多くあります。DXの本質は、単なるシステム導入ではなく、人の行動を変えること。デジタル技術を活用し、情報を集約・分析することで、より価値のある意思決定を可能にし、結果的に業務の最適化につなげるのがDXの目的です。

ーー具体的にどのようなDXの導入事例がありますか?

事例1 砥石の交換タイミングをAIが可視化

ある加工機メーカーから「砥石の交換タイミングを見極めたい、最適な加工条件を把握したい」という相談を受けました。従来は熟練者の経験則や目視に頼っており、適切なタイミングを判断するのが難しい状況でした。重要な技術が属人化している状態です。

そこで当社のAI技術を活用し、砥石の表面データを学習させることで、適切な加工条件の手掛かりを把握しながら、最適な交換タイミングを可視化できるシステムを構築しました。お客様がもつ砥石に関する知識や技術と当社のAI技術が融合し、製造のランニングコスト削減と加工対象の品質の安定化につながる取り組みとなりました。現在この技術を広く普及するために協業をスタートさせています。

事例2 ロール状粘着テープの外観検査       

フィルムやテープを製造する工場様から「粘着テープの検査工程における不良個所の特定に多くの検査工数を割いており、自動化できないか。」とのご相談をいただきました。既設の外観検査装置と人の目視で不良を排除しているが精度が不足しているとのことです。

そこで当社のAI技術を活用し、技術実証を行いより高い精度で不良個所の特定を行えるようになりました。

事例3 工場の生産ラインの可視化・業務効率向上 

このほか、別の企業様では、生産工程の管理が属人的で、全体の生産状況を把握しにくいという課題がありました。現在利用されている生産管理システムが老朽化しデータの読み出しに時間がかかり従業員の大きな負担になっているとのこと。

そこで、工程・日程・使用設備などを一括管理できるシステムをオーダーメードで構築しました。慣れ親しんだ操作性はそのままに現場の作業者にとってより使いやすいシステムを実現しました。これにより、生産状況がリアルタイムで可視化され、人的リソースの最適配置や生産性向上が実現しました。

ーー製造業DXによって、どのような課題解決が期待できますか?

DXを導入することによるメリットはいくつも挙げられますが、具体的には「生産性の向上」「人材不足の解消」「属人化の排除」の3つがあります。

生産性の向上

生産性が向上する理由は、デジタル技術を活用することで、生産プロセス全体の可視化と最適化が可能になるからです。リアルタイムでデータを収集して分析を行うことで、適切な生産システムの構築や納期調整が行えます。さらに、無駄を排除することで、生産にかかるコストを大幅に減らせた事例もあります。

人材不足の解消

製造業の労働人口は過去20年で約160万人も減少しており、人材不足が深刻な問題になっています。製造ラインで行っている検品や組み立て作業、荷物の運搬など、これまで人の手で行っていた工数を減らすことができるので、少ない人員でも安定した生産が実現できます。

属人化の排除

経験や勘など、これまで人の感覚に頼っていたようなノウハウを数値化・可視化することで、属人化を排除し、その技術を広く共有できるようになります。
人の能力に依存しない仕組みをつくることで、安定した品質確保や生産体制の整備が可能になるでしょう。

3つのメリットをご紹介しましたが、特に、労働人口の減少が進む中、DXなしでは生産体制の維持が難しくなるのは明らかです。だからこそ、今DXを導入することで、将来に向けた競争力を確保することが重要です。

独自開発『LA-Eye(エルエーアイ) 』でDX業界に革新を

ーー他社にはないLAplustの強みは何でしょうか?

主な会社のメンバーは高専時代に出会った5人。

IoTサービスの新規事業開発、無線設備の保守・工事、貿易貨物船の電気設計、ドローンやAUVの研究開発、新製品の試作組立/工程設計など、それぞれが各分野で技術を積み上げてきました。

私たち5名のこれまでの12年間の経験とAI技術のノウハウは、まず他社には実現できない強みだと自信を持っています。

――AI技術に付加価値を与えられるような強みはありますか?

私自身の前職が製造業だった経験から、実際に役立つ技術を選定し、最速・最適な形で実走まで提供できる伴走力も魅力の一つです。

これまでお客様からいただいたご相談や、それに対するご提案は100件を超えていますし、実際に製造業務に立ち合いストップウォッチを片手に作業時間の現場の方と一緒に改善活動も実施したこともあります。

適切な技術選定や最低限の現場感を持っていないと、課題解決どころか、お客様の貴重な時間や投資費用を無駄に使ってしまうこともあるでしょう。我々は12年間の実績を持っているからこそ、確かなAIの目利きと現場での業務経験を活かした伴走支援をお約束できます。

リリースしてから間もないLA-Eye(エルエーアイ)ですが、製造業だけでなく他業種のお客様からのお引き合いも多いです。その理由は、いままでやってみたけど「できなかった」を「できる」に変えることができる技術的な優位性が認めていただけているからだと思います。詳細はまた別の記事でも紹介させていただきたいですが、具体的には毎回形が決まった定型品だけでなく、一部不定形の製品や完全不定形の製品に対する検査にも活用できることが驚いていただけるポイントの一例です。技術実証を実施した際にはいつも驚いていただけます。お客様が本来の意味で「やりたいことを深く理解」し現状把握を徹底した上で最適な方法を選び抜き課題解決を実現することが重要と捉えています。

――技術だけでなく、製造現場で培ったノウハウを活かした伴走支援をお願いできるのは大きな魅力ですね。自社独自の技術開発なども行っているんですか?

独自開発した「LA-Eye(エルエーアイ)」という技術は他社にはない魅力です。

この技術の強みは極限まで高めた操作のシンプルさと、課題をもつ企業様ごとにセミカスタマイズできる柔軟さです。すべて自社内で内製しています。

いくら素晴らしい技術を導入しても、利用者さん自身が使いこなせなければいつまでも自走することはできません。

「LA-Eye(エルエーアイ)」は、類似サービスのボタンが100~200だとすると、同じ操作をボタン20~30で操作を可能にします。

また、セミカスタマイズを可能にしていることで課題への対応力をあげています。

ひとえに製造業といっても、作っている製品や工程はそれぞれで、そこに生まれる課題も一つとして同じものはありません。

実例としては、製造ラインの省人化と活人化を行いたいという相談に対して、その工場の生産に関するデータを収集し、大幅な時間短縮・ロス減少に貢献しました。

「人の役に立ち続ける。」スタートアップ企業としての挑戦する想い

――「LAplust」という社名にはどんな意味が込められているのでしょうか?

LAplust(ラプラス)は「Life Assist Plus Technologies」の略なんですけど、最後の「t」は発音しないんです。このサイレントレターには、主役は人であり、技術はあくまで人のライフをアシストする脇役。つまり影の存在でいいという想いを込めています。

影の存在でありながら、「純粋に人のためになることをやり続ける」という次元で存在感を示せるような会社を目指していきたいです。

――地元長崎の地から壮大な目標を掲げているんですね。今後の展望や目標もぜひお聞かせください。

今後は、より難しいお困りごとに対して答えていけるよう未だ国内では実現されていないような新たなAI技術の実装に力を入れていきます。日々Google社やMeta社や海外の大学・研究機関から様々なAI技術が世界中で発表されています。これらの技術を取り入れ現場課題の解決に直結する技術を現場で使える形でサービス化し、導入と運用のトータルコストを最小化し最大の価値を実感いただけるようにすることが我々の役割です。

抽象的な目標になってしまうんですけど、自分たちの技術が日本をもっと豊かにしていけたらいいなと思います。

2050年頃には労働生産人口が今の半分になってしまうと言われているほど進む人口減少。単純に考えると、生産性を今の倍にしないとGDPが維持できなくなるわけです。そういった社会課題を根底から解決していきたいです。

イノベーション展示会「課題解決Expo2025 西日本製造技術イノベーション2025」に出展決定!

製造業DXの革新を目指す株式会社LAplust(ラプラス)は、2025年7月に開催されるイノベーション展示会「課題解決Expo2025 西日本製造技術イノベーション2025」に出展します!

当日は、同社の最新のAI技術と、それを駆使した製造業の生産性向上に向けた取り組みを紹介。特に、AIを活用した業務効率化や人手不足解消の具体例について、実際の事例を交えてご紹介いたします。

展示会では、いままで「やってみたいけどできなかった」検査工程の改善事例や、「LA-Eye(エルエーアイ)」のデモンストレーションを行います。

当日は、ぜひLAplustのブースにお立ち寄りください!
私たちの技術が、どのようにして製造業の生産性向上と効率化を実現しているのかを体験いただけます。

【日時】2025年7月2日(水)~4日(金)
【場所】西日本総合展示場

【住所】北九州市小倉北区浅野3-8-1
詳細は公式サイトをご確認ください:課題解決Expo2025 西日本製造技術イノベーション2025公式サイト

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この記事を書いた人

平野蒼

波佐見町在住。長崎・佐賀を中心にインタビュアー/取材ライターとして活躍中。地域のWebメディアから行政案件まで幅広く対応しています。

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