スタートアップ企業にとって、効果的なプロジェクト管理ツールの選定は成功の鍵となります。本記事では、特にスタートアップに適したプロジェクト管理ツール6つについて、特徴や料金プランなどをご紹介します。
プロジェクト管理ツールの選び方
プロジェクト管理ツールを選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう。
- 使いやすさ
- チームメンバー全員が直感的に使えるかどうかを確認します。ITリテラシーの程度はメンバーによってさまざまなので、どのようなメンバーでも操作できるツールが望ましいです。
- 機能の充実度
- タスク管理、進捗管理、コミュニケーション機能、レポート作成機能など、ツールによって多様な機能が備わっています。自社が必要とする機能が揃っているか確認しましょう。
- コスト
- ツールの導入コストと運用コストを把握し、予算に合ったものを選びましょう。無料プランやお試し期間を活用して使い勝手を確認するのも良い方法です。
- スケーラビリティ
- 事業の成長に伴ってツールのスケールアップが可能かを確認しましょう。小規模から大規模の会社まで対応できるツールを選定しておけば、事業成長によるツール変更の必要が生じません。
- サポートとセキュリティ
- ツール提供元のサポート体制が充実しているか、データのセキュリティが確保されているかなどを確認しましょう。特に機密情報を扱う場合には重要なポイントです。
プロジェクト管理ツール導入で得られる効果
プロジェクト管理ツールの導入により、スタートアップ企業が得られる効果は以下の通りです。
- 生産性の向上
- タスクの可視化と進捗管理により、効率的な作業が可能となり生産性が向上します。
- コミュニケーションの改善
- タスクや課題に対するコメントや投票の機能を活用することで、チーム内のコミュニケーションが円滑になります。
- リソース管理の最適化
- 各メンバーの仕事量や作業負荷を可視化することでリソース配分を最適化でき、チームの負担を軽減します。
- プロジェクトの可視化
- プロジェクトの進捗や問題点を一目で把握できるため、迅速な意思決定が可能になります。
- コストの削減
- 無駄な作業やコミュニケーションエラーを減らすことで、コストの削減につながります。
おすすめのプロジェクト管理ツール6選
ここからは、スタートアップ企業におすすめのプロジェクト管理ツールを紹介します。
Asana
- 概要
Asanaはシンプルなインターフェースと豊富な機能が特徴のプロジェクト管理ツールです。全社的な目標設定や戦略計画の管理、タスクの進捗管理もひとつのプラットフォームで行えます。
- 特徴
- ワークロード管理:チームが抱えているタスクの量を可視化。仕事のバランスを調整して一部のメンバーに負荷が偏る状況を防ぐ。
- 目標管理:会社の目標と、その目標達成に向けた各メンバーのタスクを一か所で管理。会社の優先事項についてチーム間で認識を合わせることで、全員が同じ方向を向いて仕事に取り組める。
- ポートフォリオビュー:複数のプロジェクトを一元管理し、全体の進捗を把握できる。重要な取り組みにはラベルを付け、優先度やタイプでのソートも可能。
- カスタムルール:日常的なタスクに関して、特定のトリガーに基づき自動的に処理が進むように設定。作業の手間を減らし、迅速な処理を実現する。
- タイムライン:ガントチャートでプロジェクトスケジュールを視覚的に管理。豊富なカスタムテンプレートにより、ガントチャート作成の手間が省けプロジェクトの立ち上げがスムーズに。
- 初期費用
- 0円
- 料金プラン
Personal | Asana Starter | Asana Advanced | Enterprise/Enterprise+ |
最大 10 人 | 最大 500 人 | 最大 500 人 | 無制限 |
0円 | ユーザー 1 人あたり ・年間払い 1,200円/月・月間払い 1,475円/月 | ユーザー 1 人あたり ・年間払い 2,700円/月・月間払い 3,300円/月 | 要問い合わせ |
- URL
Trello
- 概要
- Trelloはカンバン方式を採用した視覚的にわかりやすいツールです。
- 特徴
- カンバン方式:タスクをカード形式で管理し、進捗を視覚的に把握できる。
- Power-up(アドオン):SlackやGoogle Driveなど、200を超えるアプリと連携して機能拡張が可能。
- カードのチェックリスト:チェックリストにより大きいタスクの作業を細分化。棒グラフで進捗度が表示され、仕事の進み具合を可視化。
- カスタム背景とステッカー:ボード背景の色や画像をカスタマイズ。カードにステッカー(スタンプ)を入れることで簡単にカードの特徴を表せる。
- ボードの公開設定:非公開や公開の設定ができ、社外関係者との共有も簡単。
- 初期費用
- 0円
- 料金プラン
FREE | STANDARD | PREMIUM | ENTERPRISE |
すべてのプロジェクトを整理する個人またはチーム向け | 作業を管理してコラボレーションを拡張する必要がある小規模なチーム向け | 複数のプロジェクトを追跡して視覚化する必要があるチーム向け | セキュリティとコントロールを強化してチーム間で作業をつなげる必要がある企業向け |
$0USD | ユーザー 1 人あたり ・年間払い $5USD/月・月間払い $6USD/月 | ユーザー 1 人あたり ・年間払い $10USD/月・月間払い $12.50USD /月 | (50ユーザーの場合)ユーザー 1 人あたり ・年間払い $17.50USD/月 ・月間払い $210.00 /月 |
- URL
monday.com
- 概要
- monday.comは直感的な操作と豊富なカスタマイズオプションが特徴で、成長中のスタートアップに適しています。
- 特徴
- カスタマイズ可能なダッシュボード:カスタムダッシュボードの作成により、進捗状況やタイムライン、予算などを一目で把握できる。
- 自動化機能:特定の条件に基づく自動アクションを設定できる。テンプレートからの選択、独自の設定どちらも可能。
- インテグレーションの豊富さ:Slack、Dropbox、Adobe Creative Cloudなど200以上のツールとシームレスに連携。
- 複数ビュー:カレンダー、タイムライン、かんばんボードなど多様な視点で管理。スプレッドシートをインポートしてガントチャートに変換も可能。
- 時間追跡:タスク遂行時にタイマーをセットし時間を計測。作業に費やした時間を追跡できる。(プロおよびエンタープライズプランのみ)
- 初期費用
- 0円
- 料金プラン
Free | ベーシック | スタンダード | プロ | エンタープライズ |
最大2ユーザー | ユーザー無制限 | ユーザー無制限 | ユーザー無制限 | ユーザー無制限 |
無料 | ユーザー 1 人あたり1,300円/月 | ユーザー 1 人あたり1,650円/月 | ユーザー 1 人あたり3,200円/月 | 料金は要問い合わせ |
- URL
Jira
- 概要
- Jiraはソフトウェア開発に特化しており、アジャイル手法でプロジェクトを遂行するチームにおすすめのツールです。
- 特徴
- アジャイルボード:スクラムやカンバンボードでアジャイル開発を効率化。
- 高度なレポート機能:アジャイルレポート、DevOps レポート、課題分析レポート、予測および管理レポートの4種類のレポートが作成可能。
- カスタムワークフロー:ワークフローの高度なカスタマイズ機能により、企業独自のワークフローも簡単に設定が可能。
- Atlassian製品との統合:ConfluenceやBitbucket、Trelloなどとシームレスに連携。
- 権限管理:新規プロジェクトの作成可否や、課題に対するコメントの参照可否など、ユーザーごとに詳細な権限設定が可能。
- 初期費用
- 0円
- 料金プラン
Free | Standard | Premium | Enterprise |
最大10ユーザー | ユーザー無制限 | ユーザー無制限 | ユーザー無制限 |
0円 | ・年間払い 2,810,000円/年 ・月間払い 939円/月(ユーザー 1 人あたり) | ・年間払い 4,900,000円/年 ・月間払い 1,634円/月(ユーザー 1 人あたり) | 料金は要問い合わせ |
※300ユーザーの場合。ユーザー数により料金は変動。
- URL
Wrike
- 概要
- Wrikeは後から追加できるストレージと使いやすいセキュリティ機能を搭載。社内だけではなく社外のパートナーも安全に情報にアクセスできます。
- 特徴
- プロジェクトテンプレート:用途別テンプレートが用意されており、迅速にプロジェクト開始が可能。
- リアルタイムコラボレーション:ドキュメントやファイルを直接タスクへアップロードし共有。ダウンロード不要でリアルタイムに編集が可能。
- リソース管理:チームメンバーのリソースを可視化。ワークロードビューを使用して、作業量に応じてタスクの再割り当てや優先順位付けを行える。
- カスタムフィールド:複数のカスタムフィールドタイプが用意されており、日々の作業に合わせて必要なデータの保存や追跡が可能。
- 依存関係の設定:タスク間の依存関係を設定し、プロジェクトスケジュールを精緻化。
- 初期費用
- 0円
- 料金プラン
Free | Team | Business | Enterprise | Pinnacle |
無制限 | 2〜25人 | 5〜200人 | 5人〜無制限 | 5人〜無制限 |
$0 | ユーザー 1 人あたり$9.80/月 | ユーザー 1 人あたり$24.80/月 | 料金は要問い合わせ | 料金は要問い合わせ |
※すべてのプランで14日間の無料トライアル有り。
- URL
Backlog
- 概要
- Backlogは直感的に使えるデザインと多くのプロジェクト管理機能を提供。36種類のキャラクターアイコンやいいね機能など、コミュニケーションを促す機能が豊富です。
- 特徴
- バグトラッキング:検索機能を使用し、バグの発見日時や発見者、修正履歴やテスト状況などの必要情報を即座に確認可能。
- Wiki機能:議事録や業務フローをまとめて管理、共有。検索機能やページへのタグ付けもできるため、情報を整理しやすく最新情報へのアクセスも容易。
- サブタスクの階層管理:親子課題を設定し、一つの大きなタスクを小さなタスクに分割可能。各タスクの担当者や期限、それぞれの関連性などを一目で把握できる。
- ガントチャート:課題に開始日・期限日・マイルストーンのいずれかの日付を設定すれば、簡単にガントチャートを作成可能。
- 依存関係の管理:タスク間の依存関係を設定し、プロジェクトの進行を正確に管理できる。
- タスクごとのコミュニケーション:タスクごとにコメントやいいね機能が使用できるため、やりとりが流れてしまう状況を防ぐ。コメントが入ればSlackやChatworkなど普段使っているチャットサービスへ通知を飛ばせる。
- 初期費用
- 0円
- 料金プラン
スターター | スタンダード | プレミアム | プラチナ |
最大30人 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
2,970円/月33,858/年 | 17,600円/月200,640/年 | 29,700円/月338,580/年 | 82,500円/月940,500/年 |
※どのプランも30日間無料でお試し可能。
※個人や少数での利用を対象としたフリープランも有り。(1プロジェクト、10人まで。ガントチャート利用不可)
- URL
結論
各ツールにはそれぞれ異なる強みがあります。スタートアップ企業は、自社のニーズやプロジェクトの特性に応じて最適なツールを選ぶことが重要です。これらのツールを活用して、プロジェクトの効率性と生産性を向上させましょう。
この記事を書いた人
中道侑希
北九州市出身のフリーライター。大学卒業後、公務員→派遣社員→BPO関連企業のPMを経て現在。オウンドメディアを中心に、有識者への取材やユーザーインタビュー、SEO記事などを執筆中。
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