デジタルトランスフォーメーション(DX)は、ビジネスの多くの分野で注目されていますが、特に物流業界においては倉庫管理の効率化がキーポイントとなっています。今回の記事では、倉庫業務のデジタル化に取り組む6つのスタートアップをご紹介します。これらの企業は、AIやロボティクスなどの先進技術を活用し、倉庫運営の効率化とコスト削減を目指しています。それぞれのスタートアップがどのように物流業界に新しい風を吹き込んでいるのかを見ていきましょう。倉庫DXの動向を通じて、物流業界の現在と未来を探ります。
株式会社LexxPluss
おすすめポイント
- 自動化をはじめとしたテクノロジーを活用し、課題解決を目指す
- テクノロジーを活用した製品が充実しており、さまざまなシーンで活用できる
- 大手配送会社への導入事例を持つ
- 導入から運用中の継続的な現場改善まで現場ごとに最適なサービスを一気通貫で提供する
株式会社LexxPlussは、持続可能な産業と生活を目指し、テクノロジーを活用した課題解決に取り組む会社です。自動化などのテクノロジーを用いて「持続可能性」を創出し、産業の新たな付加価値を生み出しています。同社は物流倉庫に特化した自動搬送ロボット「Hybrid-AMR」、その管理システム「Konnectt」、ベルトコンベアに後付け可能な「Luft-Conveyo」などの製品群により、製造・物流現場の改善を図っています。「Hybrid-AMR」は大手宅配会社にも導入され、仕分け作業の自動化により、現場の課題が改善されました。労働環境の改善、人手の確保、需要増加への対応など、物流センターが抱えるさまざまな課題に対応し、現場ごとに最適なサービスを一貫して提供しています。
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Gaussy 株式会社
おすすめポイント
- 物流業界の未来を見据えて新たなビジネスチャンスを創出する
- すべての企業が利用しやすい標準的な倉庫サービスを展開
- 作業工程ごとにさまざまなロボットを提供
- シェアリング倉庫サービスの提供
Gaussy 株式会社は、物流を単なる運搬業から、新たなビジネスチャンスの源として位置づけ、未来を見据えた新たな価値創出の場として捉えています。同社は、標準的な倉庫サービスを展開し、企業が制約に縛られずに自由に意思決定できる環境を提供しています。搬送から仕分けまで、各作業工程に適したさまざまなロボットを提供し、課題解決を図っています。シェアリング倉庫サービスでは、全国1400ヶ所以上の倉庫から選べるサービスを提供しています。物流業界に革新をもたらす企業として、持続可能なビジネスの未来を創造しています。
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株式会社キビテク
おすすめポイント
- 幅広いソフトウェアとハードウェア技術を活用したロボット開発に強み
- ロボットの遠隔制御技術によるソリューションを提供
- 全自動ではなく半自動化ロボットを使用しており、遠隔オペレータが臨機応変に対応
- 大手企業をはじめとした豊富な導入実績を持つ
株式会社キビテクは、ロボットの遠隔制御技術を用いた革新的なソリューションを提供する企業です。同社は、全自動化にこだわらず、遠隔オペレータを伴う半自動化ロボットを活用し、ロボットの即時運用を可能にしています。特に遠隔制御サービス「HATS」では、人間のオペレータがロボットの動作を補完し、非定型業務やロボット化が難しい環境にも対応します。また、幅広い技術を活用したロボット開発において強みを持ち、社会問題の低減やロボット普及を通じて社会の変容を推進しています。遠隔サポート付きの搬送ロボット「HATSキャリー」や点検作業を行う「HATSインスペクト」など、様々な製品を提供しています。
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ラピュタロボティクス株式会社
おすすめポイント
- マシンとの連携を通じて「3K(きつい・汚い・危険)」な仕事の自動化を実現。
- AI搭載のピッキングアシストロボットが最短ピッキングルートを提案し、生産性の向上とスタッフの負荷軽減を実現
- 自動フォークリフトは既存オペレーションに合わせて導入でき夜間稼働も可能
- 自動倉庫はアレンジが自由でさまざまな規模や形の倉庫にフィット
- 大手企業をはじめとした豊富な導入実績を持つ
ラピュタロボティクス株式会社は、「Empathy(共感)」をコアバリューとして掲げ、3K(「きつい」「汚い」「危険」)と呼ばれる作業の自動化を目指しています。同社は、単純な機能を持つ複数のロボットを連携させるシステムを開発しており、実用性と拡張性を兼ね備え、大きな課題の解決を目指しています。AIを搭載したピッキングアシストロボットや、複雑な倉庫オペレーションに対応する自動フォークリフトなどを提供しており、日本通運やアスクルを含む大手企業での豊富な導入実績を有しています。
URL
https://www.rapyuta-robotics.com/ja/
プラスオートメーション株式会社
おすすめポイント
- 仕分けロボットを月額25万円で導入できるサブスクサービスを持つ
- 倉庫のオペレーションに合わせて最適なロボットを提案。ピッキング・仕分けロボットを中心に展開している
- ロボットの導入が容易にできる庫内実行システム「+Hub」を提供
- デモスペース「cube」で最新ロボットの見学やシステムの操作を実際に体験できる
- 多数の国内導入拠点数を持ち、国内ロボット導入数も4,400台を超える
プラスオートメーション株式会社は、テクノロジーと物流を融合させ、現場にさまざまな+Aを届けることを目指しています。容易に導入できる庫内実行システム「+Hub」や、月額25万円で利用できるロボットサブスク「RaaS 2.0」を提供し、物流DXの実現に向けて自動化に関する全てをワンストップでサポートしています。業務の効率化を図ると共に、ロボットのサブスクリプションサービスを通じて倉庫内の自動化を身近なものにしています。同社は、4,400台を超える国内ロボット導入数を誇り、倉庫の自動化支援において確かな実績を持っています。
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株式会社TriOrb
おすすめポイント
- 九州工業大学発の協調移動ロボットベンチャー
- 九州工業大学からの技術移転をコア技術としたハードウェアに加え、移動を支えるソフトウェア群、運用を想定した安全方策までワンストップで提供
- 全方向移動プラットフォーム「TriOrb BASE」を提供
- 「TriOrb BASE」の機能を活かす自律移動ソフトウェア群をリリース
株式会社TriOrbは、九州工業大学発のベンチャー企業です。同社の全方向移動プラットフォーム「TriOrb BASE」は、3つの球体と3つのモーターを用いた高性能球駆動式全方向移動機構で、全方向に自由自在に移動できます。これにより、既存の全方向移動ロボットでは解決できなかった課題を克服しています。これまでに自動車、半導体、航空機など幅広い業種に導入されています。2023年12月には、「TriOrb BASE」の機能を活かす自律移動ソフトウェア群をリリースしました。2024年1月にはシリーズAラウンドで3.3億円の資金調達を実施するなど、注目のロボットベンチャーとしての地位を確立しています。
URL
▼参考記事
革新的な移動ロボットで製造業の未来を変える 株式会社TriOrb
まとめ
この記事で取り上げた6社の倉庫DXスタートアップは、物流業界の変革を牽引する注目の企業群です。各社が開発する独自の技術やアプローチは、倉庫運営の課題解決に大きく寄与し、より効率的な物流システムの構築に貢献しています。これらの企業が提案する革新的なソリューションは、倉庫管理だけにとどまらず、ビジネス全体の業務効率化や経済性の向上にも影響を及ぼすでしょう。
この記事を書いた人
成重敏夫
北九州市を拠点に活動するライター・Web編集者。 企業取材、スポーツ取材など幅広く対応しています。
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